FT 20bbのBBディフェンスレンジ|vs Open 5ポジション完全ガイド【Ajo MTT解説 vol.5】
1,000人MTTのファイナルテーブル・残り9人・全員20bbという最大ICM圧力下で、BBがopenに対してどう守るかをポジション別に解説。vs UTG/HJ/BTN/SBオープン・SBリンプの5パターンで、コール/3BET(刻み・オールイン)/フォールドの最適配分とサイズ別の応答を GTO Wizard ICMソリューションをもとに整理。AjoのMTT戦略シリーズ第5回。
文責:Ajo(X:@AjoPoker)
こんにちは、Ajoです。
シリーズ第5回のテーマは、第4回「FT 20bbのOpenレンジ」の続編にあたる BBディフェンスレンジ です。同じスポット(1,000人MTT・FT9・全員20bb・プライズ傾斜10倍)で、自分がBBに座ったとき、どのポジションのオープンに対してどう守るかを解説します。
ICMが最も効くスポットなので、Aブロッカー重視・刻み3BETはポラー構築・実戦ではオーバーフォールドが有効 という3つの軸を意識して読み進めてください。
📌 この記事の前提
- スポット: FT9・残り9人・全員20bb(1,000人MTT、プライズ傾斜10倍)
- 自分のポジション: BB(OOP)
- ソリューション: GTO Wizard ICM
- 刻み3BETは 5BB(vs UTG/HJ/BTN)/6BB(vs SB 3BB)/3BB(vs SB Limp) のポラー構築
💡 Vol.4と合わせて読むと立体的に理解できます
オープン側のレンジは Vol.4 で詳しく解説しています。両方を見比べることで「相手のレンジに対して自分がどう応じるか」が掴みやすくなります。
1. vs UTG オープン
UTGはレンジが最も強いので、BBのフォールド頻度は 65.4% と高めです。
コール
- A9o+ や ブロードウェイ が中心
刻み3BET(5BBレイズ)
- バリュー: AA・AKs などの最強ハンド
- ブラフ: A4o・K2s・QJo・23s 等(Aブロッカー or 浅いSPRで降ろしやすいハンド)
3BETオールイン
- A2s〜A7s・AK・Kxs・QJs などのスーテッド系を中心にジャム
- ICM下では A・Kのブロッカー価値が高い ため、Axs を中心に組む
5BBレイズに対する応答(UTGからの4BET想定)
- フォールド: 38.3%
- 4BETオールイン: 17.7%(A2s〜A8s・AK、低頻度で JJ〜KK)
3BETオールインに対する応答
- TT・AQs が ID(インディファレント、混合)
- それ以外のプレミアム未満は基本フォールド
2. vs HJ オープン
UTGよりレンジが広がるので、フォールド頻度は 55.1% に低下します。
コール
- A7o+・K9o・T9o あたりまで広がる
刻み3BET(5BBレイズ)
- バリュー: AA・AKs・AQs・JJ
- ブラフ: ハイカード1枚系(A2o〜A7o・QTo・J3s 等)
3BETオールイン
- AQ+・A3o・A4o・A2s〜A7s・Kxs・Qxs・JTs・22〜55
- オールイン頻度: 10.1%
5BBレイズに対する応答
- フォールド: 40.8%
- 4BETオールイン: A2s〜A7s・AQ+、低頻度で 99〜KK
- KK+ はほぼコール(ジャム返しも可だが、レンジ保護のためコールも持つ)
3BETオールインに対する応答
- 99・AJs が ID
3. vs BTN オープン
BTNが最もワイドにオープンするため、フォールドは 43.1% まで下がります。
コール
- 27s〜29s・83s 級のトラッシュ以外はかなり広くコール
刻み3BET(5BBレイズ)
- バリュー: AJs+・AK・QQ+
- ブラフ: Axo・57o・45o・39s 等(Aブロッカー or 接続性のあるハンド)
3BETオールイン
- 22〜55・A2o〜A5o・A2s〜A5s・AJo+・KTo・TT〜QQ・Kxs 等の幅広い構成
- A6s・A7s は基本コールに変更(オールインで使うには勿体無い)
5BBレイズに対する応答
- A2o〜A5o・ポケットペア・Axs などを中心に4BETオールインを返す
3BETオールインに対する応答
- 77・ATo が ID
- AJoは Aブロッカー として 99 より高EV評価(ICM特有の現象)
4. vs SB オープン(3BBレイズ)
SBがヘッズアップを仕掛けてくる場面。フォールドは 44.5%。刻み3BETサイズは 6BB になります。
刻み3BET(6BBレイズ)
- バリュー: QQ+・AJs+・AK
- ブラフ: Kxo・Qxo
3BETオールイン
- Axo・A2s・A3s・22〜44・Kxs・T8s〜Q8s・T9o などの幅広い構成
コール
- A4s〜ATs(ポジション優位性が薄いSB相手なので、ポストフロップで戦えるスーテッドAをコールに残す)
6BBレイズへの応答(SBの4BET相当)
- コール頻度: 5.5%
- 基本は オールイン or フォールド
オールインへの応答
- 77+・A8s+ でコール
- A9s 付近はフォールド選択肢あり
📍 エクスプロイト視点
実戦で 刻み3BETを返してくるSBプレーヤーはかなり少数派 です。多くは過小に振る舞うため、相手の刻み3BETに直面したら 理論値より過度にフォールド するのが安全。AAやKK級でだけアクションする戦略でも実用上は成立します。
5. vs SB リンプ
SBがリンプしてきた場面。チェック頻度は 63% と高め。
チェック
- 刻み3BETするSB戦より 88以下のポケットペア はチェックが基本(リンプ相手にレイズで攻めても抵抗されにくく、フロップを安く見るほうが優位)
3BBレイズ
- ハンド全体の3BET相当を3BBサイズで打つ
オールイン
- A2o・K2o・J2o・A9o など中程度〜やや弱めのオフスートでも理論上はジャムが正解
- ※ 後述の通り、実戦の相手には機能しないことが多い
3BBレイズに対するSB応答前提でのBB行動
- フォールド: 45.2%
- コール可能なライン: 98o〜K8o など中程度
- 7x はコールしづらい(オーバーリンプ相手でも、ナッツに対して抵抗しにくい)
オールインへの応答
- 66 が ID
⚠️ 理論値とのギャップに注意
GTO Wizard は K2o などでもオールインを推奨してきますが、実戦でこのレンジを再現するBBプレーヤーはほぼいません。SBのリンプに対するBBのオールイン頻度は実戦では理論値より大幅に低いのが普通なので、自分がBBで「K2oでショーブ」を真似る前に、相手の傾向を観察しましょう。多くの場面では 理論値よりオーバーフォールド で十分機能します。
まとめ
FT 20bb のBBディフェンスは、ICMによる「ジャム側に有利・受け側に不利」の非対称性 を理解することが最重要です。
この記事のポイント
- オールインを「仕掛ける側」は積極的にプレイ可能 — Vol.4で見たように、SB31.3%・BTN8.4% という広いジャム頻度が成立するのはICMの恩恵
- オールインを「受ける側(BB)」はかなり狭くコールするのが正解 — vs UTG 65.4%、vs HJ 55.1% と高いフォールド頻度
- 3BETオールイン・刻み3BETともに実戦のプレーヤーは過小 — GTO通りの構築をする相手は少数派なので、理論値よりオーバーフォールド が実用的
実戦の運用ヒント
- 相手の刻み3BET(4BET相当)には特に過大評価されがち。KK+ にアクションを絞る だけでも実用上は問題ない場面が多い
- BB から自分が攻める場合は、Aブロッカー系(Axs/Axo)を中心にレンジを組み、ポケットペアやスーテッドコネクター系は控えめ に
⚠️ ChipEVソリューションとの違いに注意
本記事は GTO Wizard ICM ソリューションを元にしています。同じ20bbでもChipEV基準ではコール/3BETがより広くなる方向に変化するので、ICMの効かない序盤〜中盤 にこのレンジをそのまま流用しないように。
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