ブラインドヘッズ25bbのプリフロップ戦略【Ajo MTT解説 vol.1】
MTT中盤〜後半、残り50%・25bbでのSB vs BBのヘッズアップ状況を、GTO Wizardのソリューションをもとに解説。SBの4択(オールイン/3BBレイズ/リンプ/フォールド)とBBの各応答、ICMを踏まえたエクスプロイト方針まで。AjoのMTT戦略シリーズ第1回。
文責:Ajo(X:@AjoPoker)
初めまして、Ajoです。普段はMTT(マルチテーブルトーナメント)を中心に、GTO Wizard を使って学習しています。
シリーズ第1回のテーマは ブラインドヘッズ。苦手意識を持っている方も多いスポットだと思いますが、ここをしっかり学べば周りのプレーヤーと差をつけられます。
今回扱う状況は、1,000人トーナメント / 残り50% / 全員25bb の SB vs BB です。
SBのオープンレンジ
SBには オールイン / 3BBレイズ / コール(リンプ) / フォールド の4つの選択肢があります。
1. オールインするハンド
22〜44 のスモールペアや Axo・Kxo 等が使われます。
プリフロップオールインは「ある程度強いがポストフロップでは扱いにくいハンド」を、いきなりオールインでショーダウンまで持ち込むための選択です。SBはポストフロップを戦うと OOP(アウトオブポジション)で不利になりますが、プリフロップオールインであればポジションの不利を無視できます。
2. 3BBレイズするハンド
AA・KK や A8s+ といった強いハンドに加えて、バランスを取るために色々なハンドが混ざります。一方で、89s や 78s のようなスーテッドコネクターは3ベットオールインを返されると勿体ないので、あまり使われません。
3. コール(リンプ)するハンド
Q2o・J3o・45o などの参加ギリギリのハンドや、ボードカバレッジを考慮した A2s〜A6s などが使われます。
4. フォールドするハンド
T3o や 94o といった弱過ぎるハンドはフォールドが推奨されます。
SBのオールインに対するBBの応答
BBはレンジ全体の 15.7% でコールします。
残り50%・全員25bbという場面では ICMの影響 があり、ChipEVベースのコール基準よりも 追加で3.9%多くの勝率 が必要になります(ペイジャンプに負けないために、チップを失うリスクを重く評価するためです)。
SBの3BBレイズに対するBBの応答
BBには オールイン / 7.5BBレイズ / コール / フォールド の4つの選択肢があります。
1. オールインするハンド
22〜88 のポケットペアや Axo が中心です。
ただし注意点として、SB側が 24s や Q6o などの弱いハンドまでレイズに混ぜていないと、BBのオールインは相手の強いレンジに突っ込む行為になりかねません。 実戦では、相手のレンジを観察してから判断しましょう。
2. 7.5BBレイズするハンド
AK・QQ・JJ などの強いハンドに加えて、A6o や K4o などの「ハイカード1枚のオフスート」が使われます。
3. コールするハンド
BBはポジションを持ってポストフロップに進行できるため、マージナルなハンドも広くコールします。また、コールレンジを守る(キャップしない)ために AA・KK もコールに一定頻度入ります。
4. フォールドするハンド
SB側が3BBレイズを行っているため、BBは レンジ全体の34.1% と高い頻度でフォールドします。
⚠️ 実戦では、2BB・2.5BB といった小さめのレイズサイズを使うプレーヤーもいます。SBのオープンサイズによって BBの応答レンジは大きく変わる ので、相手のサイズを見てからレンジを調整しましょう。
SBのリンプ(コール)に対するBBの応答
BBには オールイン / 3BBレイズ / チェック の3つの選択肢があります。
1. オールインするハンド
22〜66・Axo・Kxo などが使われます。SBオープンレンジのときと同じく、「そこそこ強いがポストフロップで扱いにくいハンド」が採用されます。
2. 3BBレイズするハンド
レンジ全体の 36.5% でレイズします。
77+ や A8s+ などの強いハンドと合わせて、26o や 96o といったオフスートのトラッシュハンドを使い、ポラーに構築します。
一方で、スーテッドハンドは(BBの3ベットに対してSBからリレイズオールインが返ってきたときに)勿体ないため、あまり使われません。
3. チェックするハンド
チェック頻度は 58%。ピュアにチェックするハンドは、スーテッド系がメインになります。
ブラインドヘッズでのエクスプロイト戦略
ここまでGTO Wizardのソリューションを見てきましたが、実戦では 相手がGTO通りにプレイすることはほぼありません。ここからは、よくあるリークを踏まえたエクスプロイト方針を考えます。
先ほどの「SBのリンプに対するBBの応答」では、オールイン+3BBレイズを合計で約42%の頻度 でプレイすることを学びました。
ここで、目の前のプレーヤーを思い出してみてください。
- スモールペアでオールインしていますか?
- 26o や 92o のようなオフスートのトラッシュハンドでレイズしていますか?
ほとんどのプレーヤーは、このレイズ頻度を満たさない「レイズ過小のリーク」を持っています。
📍 エクスプロイトの結論
レイズ過小のリークを持つ相手に対しては、SBのオープンレンジを強くポラー化するのが有効です。
- 強いハンド → 3BB Open(BBからのレイズは少ないので、そのままバリューを稼げる)
- 弱いハンド → コール(リンプ)(BBがチェックで済ませてくれるので、安くフロップを見られる)
GTOで求められる「バランスを取るために強いハンドもリンプに混ぜる」という構築は、相手がレイズ過小である限り必要ありません。
⚠️ このエクスプロイトが有効な相手・危険な相手
この戦術は 「BBが過小レイズのリークを持っているプレーヤー」に限って有効 です。相手が適応力のあるプレーヤーだと「SBのリンプ=弱いレンジ」と読まれ、リンプに対して逆に強く攻撃される(キャップドレンジを突かれる)リスクがあります。相手の傾向を観察し、エクスプロイトを使う相手と、GTOベースのバランス構築に戻す相手を使い分けましょう。
まとめ
ブラインドヘッズは互いのレンジが広く、判断が難しいスポットです。しかし、だからこそ 積極的にレイズをしてエクイティを奪っていく 姿勢が重要になります。
この記事のポイントを整理すると:
- SBの4択(オールイン / 3BBレイズ / リンプ / フォールド) を理解する
- BBはICMの影響で、追加で3.9%多い勝率が必要 になる
- SBのオープンサイズ次第でBBの応答は大きく変わる ので、相手のサイズに注意
- 相手がレイズ過小のリークを持っていれば、SBレンジはポラー化してエクスプロイト する
次回以降も、GTO Wizard のソリューションを題材にMTT戦略を深掘りしていきます。
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