ブラインドヘッズ SBリンプ→BBレイズ後のKハイCB戦略【Ajo MTT解説 vol.7】
Vol.6のAハイ編に続く姉妹回。同じブラインドヘッズ25bb・SBリンプ→BB3BBレイズ→SBコールというラインで、フロップがKハイ(K85レインボー/ツートーン/モノトーン)に出たときのCB戦略を、GTO Wizard ChipEVソリューションをもとに解説。AハイとKハイで頻度・サイズがどう変わるかも比較。AjoのMTT戦略シリーズ第7回。
文責:Ajo(X:@AjoPoker)
こんにちは、Ajoです。
シリーズ第7回は、Vol.6で扱った Aハイボード版 の姉妹回にあたる Kハイ版 です。同じブラインドヘッズ25bb・SBリンプ→BB3BBレイズ→SBコールというラインで、フロップが K85 の3スーツ構成(レインボー/ツートーン/モノトーン)に出たときに、BBはどうCBを打つべきかを掘り下げます。
Aハイのときは BB の圧倒的優位を活かして レンジベットでしたが、Kハイになるとレンジ構成が変わるため、ベット頻度・サイズもガラッと変化します。
📌 この記事の前提
- スポット: ブラインドヘッズ・25bb(Vol.1/Vol.6と同じ設定)
- ライン: SBがリンプ → BBが3BBレイズ → SBがコール → フロップ
- ポストフロップ: BBが OOP かつプリフロップアグレッサー
- ソリューション: GTO Wizard ChipEV(ICM非考慮)
💡 Vol.6(Aハイ編)と並べて読むと差分が立体的に見えます
「同じ前提線でボードのトップカードが変わるだけで、ベット頻度がどう変わるか」を比較すると、テクスチャーの効き方が掴みやすくなります。
プリフロップレンジのおさらい(Kハイの観点で)
SBのオープン構成
SBのKxの内訳をKハイの視点で見ておきます:
- K2s〜K9s は ピュアコール(スーテッドはほぼ全て参加)
- K3o以上 は ジャム / コール / フォールド の 混合領域
- K4o以上 は コール以上が確定(フォールドには回らない)
→ つまり SB のコールレンジには Kx が広く残っている(特にスーテッドのKx)。これが Vol.6 のAxとは大きな違いです。
BBのリンプ応答
Kxに絞ってBBの振り分けを見ると:
- K2o〜KQo は ID(インディファレント、混合領域)
- K2s〜K8s は 大部分がコール
- K9s以上 は ピュアにレイズ
SBのレイズへの応答
📍 Kハイ視点での重要ポイント
- SBのコールレンジ: スーテッドのKx(K2s〜K9s)が広く残る → Kハイで一定のセット/トップペア・フラッシュドロー を持つ
- BBのレイズレンジ: K9s+ は ピュアレイズ、Kxoは ID
つまり Kxの含有はBBが「ピュアレイズ側のスーテッド」、SBは「広範囲のスーテッドのKx」で、SBのスーテッド偏在 vs BBのオフスート偏在 という構図が生まれます。これがAハイとの根本的な違いです。
K85ボードでのCB戦略
ここからが本題です。
Kハイボード全体の傾向(Aハイとの違い)
Aハイ(Vol.6)と比べると:
| Aハイ(Vol.6) | Kハイ(本記事) | |
|---|---|---|
| BBの優位 | 圧倒的(SBにAほぼ無し) | 限定的(SBにスーテッドKx広く存在) |
| 基本姿勢 | レンジベット | 約50%でベット(チェックも一定) |
| メインサイズ | 29〜45% | 14%中心、最大45% |
| チェック頻度 | ほぼ無し | 50%程度 |
Kハイは「BBが少し有利」程度に留まるため、全ハンドからレンジで打つほどの優位はなく、頻度を絞ったベット構築 が基本になります。
1. K85 レインボー
- ベット頻度: 53%
- 使われるサイズ: 14%〜45%
EV比較を見ると、SBにもKxコンボが一定数存在するため、Aハイのような圧倒的優位はなく、レンジベットではなく頻度を絞った構築になります。サイズは14%中心で、強いハンド・守りたいハンドに向けて45%まで分散します。29%サイズでベットしたときの SB の応答も合わせて確認しておきましょう。
📍 実戦のヒント: SBのチェックレイズは過小傾向
均衡では SB のチェックレイズが約20% ありますが、実戦のSBプレーヤーはこの頻度を満たさないことがほとんど。チェックレイズを警戒しすぎず、CBを通常通り打ち続ける のがエクスプロイトの基本方針です。
2. K85 ツートーン
- ベット頻度: 49%
- メインサイズ: 14% と 29%
レインボーよりやや頻度が下がります。理由はVol.6と同じく SB のスーテッドKxがフラッシュドロー化する ためで、BB の優位がさらに細るからです。29%ベットを打ったときの SB の応答(コール / フォールド / レイズの構成)も合わせて押さえておきましょう。
📌 チェックレイズ頻度: 約16%
均衡では16%のチェックレイズですが、ここも実戦では過小になりがち。「ツートーンでCBに対して頻繁にチェックレイズしてくる相手」はまずいないので、Aハイのときと同様に 平常運転でCBを継続 してOKです。
3. K85 モノトーン
- ベット頻度: 51%(チェックがほぼ半分)
- メインサイズ: 14%
数字だけ見ると「レインボーとあまり変わらない」ですが、この51%は SB のドンクベット頻度43%を前提とした条件付きの数値 である点に注意してください。つまり実戦では:
- SB がドンクで打ってきたら → BB はチェック側のレンジで応答
- SB がチェックで返してきたら → BB は約51%でCB(メインは14%サイズ)
という流れに分岐します。14%ベットを打ったときの SB の応答も合わせて確認しておきましょう。
⚠️ モノトーンは「SBが先に動く」前提
K85モノトーンでは均衡上 SBが約43%でドンクベット を打ってくる構築になっています。これは「BB有利」がかなり薄まり、SB側にもフラッシュ/強いFDが集中するため、SBが先行アクションを取る余地があるためです。実戦ではこのドンク頻度を実際に出してくる相手はまだ少数派ですが、モノトーンで突然ベットされたら「ボードがSBレンジに刺さっている」サイン として受け止めましょう。
📍 チェックレイズ頻度: 約23%(モノトーンでは過小傾向が特に強い)
均衡では23%のチェックレイズが入りますが、モノトーンでチェックレイズを返してくる実戦プレーヤーはほとんどいません。CB自体は均衡通りで問題なく、ラージサイズではなく14%小サイズに絞る のがリスク管理として有効です。
まとめ
ブラインドヘッズで SBリンプ → BBレイズ → SBコール が成立したあと、フロップが Kハイ に出たときの構図は、Vol.6で扱ったAハイとは別物です。
この記事のポイント
- Kハイは「BBが少し有利」止まり — SBのスーテッドKxが幅広く残るため、Aハイのような独壇場にはならない
- レインボーで53%・ツートーンで49%・モノトーンで51% — どれも「約50%ベット」がメインの設計
- メインサイズは14%中心 — Aハイの29〜45%とは違い、小サイズで広く取る 構築
- モノトーンは SB ドンク43%が前提条件 — 突然のドンクが来たら「相手のレンジが刺さっている」と読む
Vol.6(Aハイ)との比較で覚えるべきこと
- Aハイ: BB圧倒的有利、レンジベット、サイズ29〜45%
- Kハイ: BB限定的有利、半分はチェック、サイズ14%中心
- モノトーンの扱いは両者で大きく変化(Kハイは SB ドンク前提のシーンに)
次回以降では、ペアボードや別のテクスチャーでもCB戦略を掘り下げていきます。
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