アミュおじを卓外からエクスプロイトする方法【月刊コナショー vol.3】
卓上では強者を気取るが、独自理論でプレイする悲しきモンスター「アミュおじ」。論破せず「沈黙は正義」で受け流し、テーブルトークではなくテーブルアクションで利益を取る——卓外エクスプロイトの考え方をkonashoが綴るコラム。
文責:konasho(X:@konasho)
ポーカーとは「何者にもなれなかったおっちゃんが自分のことを凄いと勘違いしてしまうゲーム」である。
アミュおじという悲しきモンスター
その成れの果て、悲しきモンスターがアミュおじだ。卓上での佇まいは強者そのもの。店員や常連と談笑し、慣れた手つきでチップを積み上げる。バリューベットする前にはもったいぶって一呼吸置く。だが多くの場合、そのアクションにはいささか疑問符がつく。Aがあればもちろんオープン。BBディフェンスも異様に広く、マルチウェイのK7oは「6回に1回勝てばいいから」とオッズコール。ボードにAやKが落ちればCB率100%。ドローヘビーなボードでは捲られたくないからとトップヒット+は全てベットやレイズにまわる。その根拠となるのが独自理論だ。73sでオープンし、スリーベットにももちろんコール。理由は「ローボードだったらオーバーペアから取れるから」。別ハンドではリバーで3が重なると特大ベットを打ち、相手が降りると「ポラライズしようと思いました」と言いながらクワッズへ昇格した33を得意気にショウ。「ちなみにこのボードでブラフだったら何で打ってたんですか?」と尋ねると2秒間フリーズする(てめぇ、それポラライズになってねぇじゃねぇか)。やたらと「エクイティ」という言葉を使いたがるくせに「このベットはバリューでもブラフでも打ちます。これを混合戦略と言います」とかぬかしやがる(かわいそうに。周りに指摘してくれる人がいないんだな)。
彼らに悪気はない
彼らに悪気はない。本気で自分のことをポーカーが上手いと思っている。「その考え方だとこんなふうにマズイんじゃないですか?」とやんわり伝えてみても聞く耳を持たない。スリーベットポットのKハイボードでダブルバレルにコールした66がリバーでセットになり、こちらのトップツーペアを打ち破った後では説得力がない。
防御手段は「沈黙は正義」
強くなるためには均衡理解が必須。何度も聞いているはずだがアミュおじはGTOの有効性を認めるとアイデンティティを失う。GTOを知らなくてもそこそこ勝てているという心地よい幻想にいつまでも浸っていたいのだ。彼らの世界を壊してはいけない。ならばこの類の手合いへの対応策、防御手段は1つしかない。「へぇ、そうなんですね」を連発し相手にしないことだ。「沈黙は正義」。この言葉を深く胸に刻み、ハンドレンジと心の平穏は自らを律することで守らねばならない。それに講釈を垂れる=思考の開示だ。私はこんな風にズレてますと教えてくれているのだからそのありがたい言葉のご利益にあやかろう。
初心者が同卓しているときだけは例外
ただし初心者が同卓している場合のみアクション分割が発生する。初心者はアミュおじの発言の正誤を判断する術を持ち得ない。誤った考えを信じ込む前に助け船を出そう。その方法は自分はこう思うという形での正しい知識の提示であり、くれぐれもアミュおじを論破しようとしてはいけない。奴らにあるのは成長意欲ではなく薄っぺらい承認欲求。人前で負けを認めることなど陳腐な自尊心が絶対に許さない。仮に知識のマウント合戦で勝ったところで何も得られず、心のエネルギーを消耗するだけ。労力を注ぐポイントは見極める必要がある。
戦わないのが最適解
対アミュおじの最適解は戦わないこと。これは場所も年代も問わない普遍の真理だ。ポーカーは学級委員やリレーのアンカーなどとは無縁だった人にとってようやく見つけた自分が主役になれる可能性を秘めたゲーム。水を得た魚はそのまま泳がせておく。合言葉は「沈黙は正義」。テーブルトークではなくテーブルアクションでやっつける。
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