王流院大学ポーカー学部入学試験解答速報
Σ会予備校:しぐま (Twitter: @sigm_4)

Σ会予備校:しぐま (Twitter: @sigm_4)
こちらの記事は、王流院大学ポーカー学部入学試験の解答速報になります。まだ問題を解いていない方は、先に問題をご覧ください。
問1
以下に定義される、ベットサイズ500%の場合のAKQゲームのナッシュ均衡において、OOPのプレイヤーのベットレンジにはQQがAAの何倍含まれるか求めよ。
【AKQゲーム】
・初期ポットは1とする。ベットサイズは5とする。
・OOPのプレイヤーは、AAとQQをそれぞれ50%の確率で持っているとし、IPのプレイヤーは、KKを100%の確率で持っているとする。
・OOPのプレイヤーは、ベットまたはチェックのアクションを選択することができる。
・IPのプレイヤーは、OOPのプレイヤーのベットに対してコールまたはフォールドを選択することができる。
・IPのプレイヤーがフォールドを選択した場合、OOPがその時点でのポットを全て獲得する。
・OOPのプレイヤーがチェックした場合または、IPのプレイヤーがOOPのプレイヤーのベットをコールした場合にショーダウンを行い、勝者がその時点のポットを全て獲得する。なお、ショーダウンの勝敗は、各プレイヤーの持つハンドの役の強さのみで決定する。
〜解答〜
答え:5/6倍
典型的なAKQ gameの問題である。Bet size $B$のAKQ gameにおいては、value handに対してbluff handを$${\alpha = \frac{B}{1+B}}$$の割合でbetする。$B=5$の場合にこれを計算すると、5/6を得る。
なお、value handとbluff handの比を表す$\alpha$は、OOPのbetがIPのKKをcall or foldのindifferentに追い込むための条件から導かれる。KKは$B=5$のbetをcallすると、AAには負けて5を失い、QQには勝って6(=1+5)を得る。従って、QQに勝つ回数がAAに負ける回数の5/6倍に等しければ、KKはcall EVが0になり、callとfoldがindifferentになる。
問2
以下に定義される、ベットサイズ500%の場合のAQQゲームのナッシュ均衡において、OOPのプレイヤーのベットレンジにはQQがAAの何倍含まれるか求めよ。
【AQQゲーム】
・初期ポットは1とする。ベットサイズは5とする。
・OOPのプレイヤーは、AAを1%、QQを99%の確率で持っているとし、IPのプレイヤーは、QQを100%の確率で持っているとする。
・OOPのプレイヤーは、ベットまたはチェックのアクションを選択することができる。
・IPのプレイヤーは、OOPのプレイヤーのベットに対してコールまたはフォールドを選択することができる。
・IPのプレイヤーがフォールドを選択した場合、OOPがその時点でのポットを全て獲得する。
・OOPのプレイヤーがチェックした場合または、IPのプレイヤーがOOPのプレイヤーのベットをコールした場合にショーダウンを行い、勝者がその時点のポットを全て獲得する。なお、ショーダウンの勝敗は、各プレイヤーの持つハンドの役の強さのみで決定する。
〜解答〜
答え:10倍
問1と異なるのは、IPのhandがKKからQQに変わったことである。KKはAAには負けるもののQQには勝つというbluff catcherの役目を果たしていたが、このAQQ gameでは、IPのQQはOOPのbluff handとchopになってしまう。定性的には、IPはbetをcallして得られる金額が激減するために、OOPはbet rangeに占めるQQの割合を増やしてやる必要がある。具体的には、IPのQQは$B=5$のbetをcallすると、AAには負けて5を失い、QQとはchopで1/2を得る。従って、QQとchopになる場合がAAと当たる場合の10倍の頻度で発生すれば、IPのcall EVは0になりcall or foldのindifferentとなる。
問3
以下のシチュエーションを考える。
K♤Q♤J♡T♢のボードにおいて、OOPのプレイヤーはポット500%のサイズでオールインを行おうとしている。OOPのプレイヤーのオールインレンジの構成は、A♤9♤を$x$、A♡9♡を$1-x$の割合とし、IPのプレイヤーは必ずA♢9♢を持っているものとする。
この時、OOPのプレイヤーのオールインによって、IPのプレイヤーの持つA♢9♢をインディファレント(無差別)の状態にするためには、$x$をいくつにすればよいか求めよ。
ただし、リバーで♤のカードが出る確率は、残りの♤のカード1枚につき2%となることを仮定してよい。
〜解答〜
答え:$${x=\frac{50}{99}}$$
Turn時点ではお互いのハンドはいずれもnut straightとなっている。Riverで♤が出た時のみOOPのAs9sがflushとなってAd9dに勝つことになる。そのため、riverでは多くの場合chopとなるが、OOPがAs9sでbetしてflushを引いた時にのみIPの負けとなる。OOPが$B=5$のbetをすると、IPがcallした時chopによりIPが獲得する額は1/2、IPが負ける場合の損失額は5になる。従って、問2の結果からIPは$\frac{1}{11}\times 100\%$の頻度で負けることができる(負けの回数1に対して勝ちの回数が10)。
一方、IPが負ける場合というのはOOPがAs9sでbetしてriverでflushを完成させる場合であるから、その確率は$x\cdot18\%$となる(riverに残っている♤は9枚で、1枚につき2%の確率で登場するという仮定を用いた)。
従って、$${18x=\frac{100}{11}}$$を解いて、$${x=\frac{100}{198}\sim 0.5050}$$を得る。
結論としてOOPはFDのAs9sを50.50%、FDでないAh9hを49.49%の確率でb 500%をすればよい。
問4
NL50のエフェクティブスタック100bbのキャッシュゲームにおいて、以下のスポットを考える。
UTG vs. BB SRP
プリフロップ
UTG:レイズ2.5bb
BB:コール
フロップ: K♤Q♤J♡(ポット=5.5bb)
BB:チェック
UTG:ベット1.8bb
BB:レイズ6.35bb
UTG:コール
ターン:T♢(ポット=18.2bb)
BB:オールイン
UTG:?
ナッシュ均衡では、このスポットにおいてBBのオールインがA9sのみで行われ、UTGはA9s以外でこのオールインをコールしないことがわかっている。
BBのオールインレンジには、A♤9♤に対してそれ以外スートのA9sが何倍含まれているか見積もれ。
〜解答〜
答え:約38%
BBはAXによるnut straightのみでb 501% (all in)を行う。問3とほとんど同じ状況になっていることがわかるが、問4ではblockerの効果を考慮する必要がある。つまり、UTGのFD suitを持たないstraightがBBのall inレンジのうちFD suitを持たないものをblockしてしまっている影響を加味しなければならない。簡単にこれを見積もると、UTGのstraightがFD suitでないAを持っている場合、BBのFD付きstraightの割合が1/4から1/3に上昇する(負けている確率が高くなる)。そのため、問3で得られた方程式を$${18x\times\frac{4}{3}=\frac{100}{11}}$$と修正して解き直せばよく、$x\sim0.3788$を得る。
※ All inのsizeが問3では500%、問4では501%となっているが、上記の粗い見積もりに大きな影響を与えるほどの大きさではない(答えは有効数字2桁で収めて書いている)。
実際にGTO Wizardで該当するスポットを確認すると[図1・図2]、turnでall inを行うnut straightの一部にはFDが付いており、その割合は38%程度となっていることがわかる。これは上記の見積もりと非常によく整合している。UTGはこのall inに対して、同じくAXによるnut straightのみでcallするが、FD suitを持たないnut straightはindifferent(またはfold)になる。


この記事が参考になったら
ブックマークしていつでも見返せるようにしましょう!
Ctrl+D(Macは⌘+D)で追加できます。
この記事に誤りや不明点があれば、お気軽にご連絡ください。
✉️ 運営に連絡する