ポーカーのスタッツ完全ガイド|各指標の意味・適正値まとめ
ポーカーのスタッツ(VPIP・PFR・AF・3Bet・WTSDなど)の意味と適正値を完全網羅。計算式・活用法・スタッツの組み合わせによる相手の傾向の読み方まで体系的に解説します。
スタッツとは何か
ポーカーのスタッツ(Stats)とは、プレイヤーの行動パターンを数値化した指標のことです。
「この相手はどれくらいの頻度でハンドに参加するのか」「レイズされるとすぐ降りるのか」——こうした傾向を、感覚ではなく具体的な数字で把握できるのがスタッツの強みです。
スタッツを理解すると、次のことができるようになります。
- 相手のプレイスタイルを素早く見抜ける
- ベットやフォールドの判断に根拠が持てる
- 自分のプレイの弱点を客観的に発見できる
この記事では、主要なスタッツの意味と適正値をカテゴリ別にまとめ、実戦での活用法を解説します。
プリフロップスタッツ
プリフロップ(フロップが出る前)の行動を数値化したスタッツです。相手がどんなハンドで参加し、どれくらい攻撃的かがわかります。
VPIP(参加率)
VPIP(Voluntarily Put In Pot) は、プレイヤーが自発的にポットにチップを入れた割合です。
VPIP = 自発的にチップを入れたハンド数 ÷ 配られた全ハンド数
ポイントは「自発的に」という部分です。BB(ビッグブラインド)は強制的にチップを置くため、そのまま誰のレイズもなくチェックで回ってきた場合はカウントされません。一方、BBでも相手のレイズに対してコールやレイズで応じた場合は、自発的なアクションなのでカウントされます。
| 分類 | VPIP | 傾向 |
|---|---|---|
| タイト | 18%未満 | 強いハンドだけ参加 |
| 標準 | 20〜27% | バランスの取れた参加率 |
| ルース | 30%超 | 幅広いハンドで参加 |
VPIPについてポジション別の適正値や相手のタイプ別対策まで詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
PFR(プリフロップレイズ率)
PFR(Preflop Raise) は、プリフロップでレイズして参加した割合です。オープンレイズ、3ベット(再レイズ)、4ベットのすべてを含みます。
PFR = プリフロップでレイズしたハンド数 ÷ 配られた全ハンド数
| 分類 | PFR | 傾向 |
|---|---|---|
| パッシブ | 12%未満 | コールが多く、レイズが少ない |
| 標準 | 15〜22% | 適度にレイズで参加 |
| アグレッシブ | 25%超 | 積極的にレイズ |
VPIPとPFRの差にも注目しましょう。この差が大きい(例: VPIP 30、PFR 10)と、レイズせずコールで参加することが多い「受け身なプレイヤー」だとわかります。
3Bet%(スリーベット率)
3Bet% は、相手のオープンレイズに対して再レイズ(3ベット)する頻度です。
3Bet% = 3ベットした回数 ÷ 3ベットする機会があった回数
| 分類 | 3Bet% | 傾向 |
|---|---|---|
| タイト | 5%未満 | プレミアムハンド(AA・KK等)のみ |
| 標準 | 8〜10% | バランスの取れた3ベットレンジ |
| アグレッシブ | 11%超 | ブラフ3ベットも混ぜている可能性 |
Fold to 3Bet(3ベットへのフォールド率)
Fold to 3Bet は、自分がオープンレイズした後に3ベットされたとき、フォールドする割合です。
Fold to 3Bet = 3ベットにフォールドした回数 ÷ 3ベットされた回数
| 位置 | 適正値 | 見方 |
|---|---|---|
| IP(ポジションあり) | 40〜45% | ポジションの有利で広く対抗できる |
| OOP(ポジションなし) | 45〜50% | 不利な位置なのでやや多くフォールド |
Fold to 3Betが70%以上の相手は、3ベットするだけで高頻度でポットを取れます。逆に30%以下の相手は3ベットに対して粘る傾向があるので、ブラフ3ベットは控えましょう。
ATS(スティール率)
ATS(Attempt to Steal) は、CO(カットオフ)・BTN(ボタン)・SB(スモールブラインド)のレイトポジションからブラインドを奪うためにレイズする頻度です。
ATS = スティールポジションからレイズした回数 ÷ スティールの機会があった回数
※「機会」= 自分より前の全員がフォールドした状態で、CO・BTN・SBにいた回数
| 分類 | ATS | 傾向 |
|---|---|---|
| 消極的 | 25%未満 | スティールが少ない。強いハンドのみ |
| 標準 | 30〜35% | 適度にブラインドを狙う |
| 積極的 | 40%超 | 広いレンジでスティール。ブラフも多い |
Fold to Steal(スティールへのフォールド率)
Fold to Steal は、ブラインドにいるとき、レイトポジションからのスティールレイズに対してフォールドする割合です。
Fold to Steal = スティールレイズにフォールドした回数 ÷ スティールレイズを受けた回数
適正値は約60% です。この数値が80%を超える相手は、スティールポジションから積極的にレイズするだけで利益が出ます。逆に40%以下の相手はブラインドを頻繁に守るため、スティールレイズのハンドを絞りましょう。
Squeeze%(スクイーズ率)
Squeeze% は、オープンレイズに対して1人以上がコールした後にリレイズ(スクイーズ)する頻度です。
Squeeze% = スクイーズした回数 ÷ スクイーズする機会があった回数
適正値は7〜9% です。スクイーズが12%を超える相手は軽いハンドでも仕掛けている可能性が高く、広めにコールや4ベットで対抗できます。
ポストフロップスタッツ
フロップ以降の行動パターンを示すスタッツです。相手がフロップ後にどれだけ攻撃的か、どこまで粘るかがわかります。
AF(アグレッションファクター)
AF(Aggression Factor) は、ポストフロップの攻撃性を数値化した指標です。
AF = (ベット回数 + レイズ回数) ÷ コール回数
| 分類 | AF | 傾向 |
|---|---|---|
| パッシブ | 1.5未満 | コールが多く、自分からは打たない |
| 標準 | 2〜3 | バランスの取れた攻撃性 |
| アグレッシブ | 4以上 | 頻繁にベット・レイズする |
AFが1未満の相手は、ベット・レイズよりコールが多い「コーリングステーション」です。こうした相手にはブラフが効きにくく、バリューベット(強い手でベットして利益を得ること)を厚く狙うのが正解です。
Flop CB%(フロップCベット率)
Flop CB% は、プリフロップでレイズした人がフロップでコンティニュエーションベット(Cベット)する割合です。
Flop CB% = フロップでCベットした回数 ÷ フロップでCベットする機会があった回数
| 位置 | 適正値 | 補足 |
|---|---|---|
| IP(ポジションあり) | 50〜70% | ポジションの有利を活かして高頻度 |
| OOP(ポジションなし) | 25〜35% | 不利な位置ではチェック多め。ボードによって大きく変動 |
Fold to Flop CB(フロップCベットへのフォールド率)
Fold to Flop CB は、相手のCベットに対してフォールドする割合です。
Fold to Flop CB = フロップCベットにフォールドした回数 ÷ フロップCベットを受けた回数
この数値が60%以上の相手には、幅広くCベットを打つことで利益が出ます。逆に40%以下の相手はフロップで粘る傾向があるので、Cベットを絞り、強いハンドで確実にバリューを取りましょう。
WTSD%(ショーダウン到達率)
WTSD(Went To Showdown) は、フロップを見た後にショーダウン(手札を見せ合うこと)まで進んだ割合です。
WTSD = ショーダウンに到達した回数 ÷ フロップを見た回数
| 分類 | WTSD | 傾向 |
|---|---|---|
| フォールドしすぎ | 24%未満 | ベットされると降りやすい |
| 標準 | 27〜32% | 適度に粘り、適度に降りる |
| コールしすぎ | 35%超 | なかなか降りない。ブラフが効きにくい |
W$SD(ショーダウン勝率)
W$SD(Won Money at Showdown) は、ショーダウンに到達したとき勝った割合です。
W$SD = ショーダウンで勝った回数 ÷ ショーダウンに到達した回数
適正値は49〜54% です。
WTSDとセットで見ると効果的です。
| パターン | WTSD | W$SD | 解釈 |
|---|---|---|---|
| 良いプレイヤー | 28〜30% | 50%超 | 適切にフォールドし、残ったときは勝てている |
| コーリングステーション | 35%超 | 45%未満 | 粘りすぎて負けが多い。バリューベットで狙い目 |
| フォールドしすぎ | 24%未満 | 55%超 | 強い手しか残さない。ブラフで狙い目 |
WWSF(フロップ後勝率)
WWSF(Won When Saw Flop) は、フロップを見た後にポットを獲得した割合です。ショーダウンで勝った場合も、相手がフォールドして勝った場合も含みます。
WWSF = フロップ後にポットを獲得した回数 ÷ フロップを見た回数
| 分類 | WWSF | 傾向 |
|---|---|---|
| 受け身 | 44%未満 | フロップ後に攻められていない |
| 標準 | 45〜53% | バランスの取れたポストフロッププレイ |
| 攻撃的 | 54%超 | ベットやレイズで多くのポットを奪っている |
スタッツの組み合わせで読む
スタッツは単体で見るより、複数を組み合わせて読むほうが正確に相手の傾向を把握できます。
VPIP と PFR のギャップ
VPIPとPFRの差は、プリフロップの攻撃性を測る重要な指標です。この差が約3ポイントのプレイヤーは、参加するときの大半をレイズで入っており、攻撃的なスタイルといえます。
| VPIP / PFR | ギャップ | 解釈 |
|---|---|---|
| 21 / 18 | 3 | レイズ主体で参加。勝ちプレイヤーに多い |
| 25 / 20 | 5 | やや広めだが健全。6maxの典型的なレギュラー |
| 30 / 10 | 20 | コールでの参加が大半。受け身で搾取しやすい |
| 56 / 5 | 51 | ほぼリンプかコール。大きなリークを抱えている |
勝ちプレイヤーの典型は19/17〜25/23で、ギャップは2〜5ポイントに収まります。ギャップが10以上ある相手は、レイズせずコールで参加する頻度が高い受け身なプレイヤーです。
出典: BlackRain79, Poker Copilot
WTSD・W$SD・WWSF の三角関係
この3つのスタッツは互いに連動しており、組み合わせることでポストフロップのプレイスタイルが浮かび上がります。
基本法則: WTSDが低いプレイヤーはWSDは下がります。
| WWSF | WTSD | W$SD | タイプ | 対策 |
|---|---|---|---|---|
| 高(54%超) | 高(35%超) | 低(45%未満) | アグレッシブなブラファー | 強い手でポットを膨らませ、中程度の手でコールダウン |
| 低(44%未満) | 低(24%未満) | 高(55%超) | パッシブ/タイト | ブラフが効きやすい。ベットされたら素直に降りる |
| 標準(48%前後) | 標準(28〜30%) | 標準(50〜52%) | バランス型 | 突出した弱点がない。正攻法で戦う |
出典: Hand2Note, Upswing Poker
ATS と Fold to Steal の対応関係
ATSはスティールする側、Fold to Stealはされる側の指標で、ブラインドバトルの攻守を表します。
- ATS高 × 相手のFold to Steal高 → スティール天国。積極的にレイズして利益を出せる
- ATS高 × 相手のFold to Steal低 → 守りが固い相手。スティールレンジを絞るか、フロップ以降で勝負する
- 自分のFold to Steal高 → ブラインドを簡単に奪われている。防御頻度を上げる必要あり
出典: BlackRain79, Pokercode
スタッツを活用するための3つのポイント
1. サンプル数を意識する
スタッツは十分なハンド数がないと信頼できません。
| スタッツ | 目安ハンド数 | 理由 |
|---|---|---|
| VPIP・PFR | 約300ハンド | 毎ハンド発生するため早く収束 |
| 3Bet%・ATS | 約1,000ハンド | 特定状況でのみ発生 |
| Fold to 3Bet | 約1,500ハンド | さらに限定的な状況 |
| Squeeze% | 約3,000ハンド | 発生頻度がかなり低い |
| WTSD・W$SD・WWSF | 約8,000ハンド | ポストフロップまで進むハンドが少ない |
出典: Upswing Poker
2. ポジション別に見る
全体のスタッツだけでなく、ポジション別の数値を見ると精度が上がります。
たとえばVPIP 25%の相手でも、UTG(最初に行動する不利なポジション)では15%、BTN(最後に行動する有利なポジション)では40%かもしれません。これは正しいポジション感覚を持った上手いプレイヤーです。
一方、どのポジションでもVPIPがほぼ同じ相手は、ポジションを意識していない可能性が高く、搾取しやすい相手だといえます。
3. 「なぜその数値か」を考える
スタッツは「入口」であって「答え」ではありません。大切なのは数値の裏にある理由を考えることです。
- VPIP 40%の相手 → 弱いハンドも参加している → ポストフロップで優位に立ちやすい
- AF 1.0の相手 → コールが多い → ブラフが効かないが、強い手でバリューが取れる
- WTSD 22%の相手 → すぐ降りる → ブラフが効きやすいが、コールされたら本物
このように、スタッツ → 傾向の仮説 → 対策の3ステップで考える習慣をつけましょう。
スタッツ早見表
すべてのスタッツの適正値を一覧でまとめます。
プリフロップ
| スタッツ | 正式名称 | 適正値(6max) | 出典 |
|---|---|---|---|
| VPIP | Voluntarily Put In Pot | 20〜27% | Upswing Poker, SplitSuit |
| PFR | Preflop Raise | 15〜22% | Upswing Poker, BlackRain79 |
| 3Bet% | 3-Bet Percentage | 8〜10% | Upswing Poker |
| Fold to 3Bet | Fold to 3-Bet | IP 40〜45% / OOP 45〜50% | Upswing Poker |
| ATS | Attempt to Steal | 30〜35% | BlackRain79, Pokercode |
| Fold to Steal | Fold to Steal | 約60% | Poker Copilot, BlackRain79 |
| Squeeze% | Squeeze Percentage | 7〜9% | Upswing Poker |
ポストフロップ
| スタッツ | 正式名称 | 適正値 | 出典 |
|---|---|---|---|
| AF | Aggression Factor | 2〜3 | BlackRain79, Pokercode |
| Flop CB%(IP) | Flop C-Bet(In Position) | 50〜70% | Upswing Poker |
| Flop CB%(OOP) | Flop C-Bet(Out of Position) | 25〜35% | Upswing Poker |
| Fold to Flop CB | Fold to Flop C-Bet | 50%未満 | Upswing Poker |
| WTSD% | Went To Showdown | 27〜32% | Upswing Poker |
| W$SD | Won Money at Showdown | 49〜54% | Upswing Poker |
| WWSF | Won When Saw Flop | 45〜53% | Upswing Poker |
まとめ
スタッツは相手の傾向を数値で把握する強力なツールです。まずはVPIP・PFR・AFの3つを理解するだけで、相手がどんなタイプのプレイヤーかが見えてきます。
ただし、スタッツは万能ではありません。十分なサンプル数を確保すること、ポジション別に見ること、そして数値の裏にある理由を考えること——この3つを意識して、データを判断材料に変えていきましょう。
スタッツで相手の戦略の偏りがわかったら、次は自分の戦略をどう変えるかを考える番です。そのためにはポーカーの基礎理論をしっかり身につけることが欠かせません。
勉強ではなく、実戦でスタッツを試したい方は鳳凰戦がおすすめです。鳳凰戦はスタッツが管理されるポーカーアプリで、自分のプレイを数値で振り返りながら実力を磨けます。
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