ポーカーでジョーカーは使う?使わない理由とジョーカー入りの役一覧
テキサスホールデムでジョーカーを使わない理由を、5枚配りきりの役の出現数を全通り計算して解説。1枚入れるだけでスリーカードがツーペアより出やすくなり、役の強さの順番が崩れます。ファイブカードを含む役一覧も掲載。
📝 この記事に必要な知識: この記事は前提知識なしで読めます。ただし役の名前がそのまま出てくるので、次の2つを先に押さえておくと理解が早くなります。
| # | 概念 | 関連記事 |
|---|---|---|
| 1 | ポーカーの役の種類と強さの順番 | ポーカーの役一覧・早見表 |
| 2 | テキサスホールデムがどんなゲームか | ポーカーとは?テキサスホールデムの魅力 |
テキサスホールデムでジョーカーは使わない
テキサスホールデムで使うのは、ジョーカーを抜いた52枚です。トランプの箱に入っているジョーカーは、脇に置いておいてください。
これはローカルルールの話ではなく、WSOP のような世界大会から国内のアミューズメントポーカー、オンラインポーカーまで、すべて共通です。
| ゲーム | ジョーカー | 使う枚数 |
|---|---|---|
| テキサスホールデム | 使わない | 52枚 |
| オマハ(PLO) | 使わない | 52枚 |
| スタッド系・ドロー系(公式ルール) | 使わない | 52枚 |
| ワイルドポーカー(家庭ルール) | 使う(何にでもなる) | 53〜54枚 |
| 大富豪 | 使う(最強クラス) | 53〜54枚 |
| ババ抜き | 使う(持っていると負け) | 53枚 |
要点: ジョーカーを使うポーカーも存在しますが、それは「ワイルドポーカー」と呼ばれる家庭用のローカルルールです。競技として遊ばれているポーカーは、例外なく52枚です。
なぜポーカーはジョーカーを使わないのか
「ジョーカーがあると強すぎるから」——よく見かける説明ですが、これは理由の半分でしかありません。本当の理由は3つあります。
理由1:役の強さの順番が壊れる
ポーカーの役の順番は、誰かがセンスで決めたものではありません。52枚から5枚を配ったときに出にくい役ほど強い、という一本のルールで機械的に決まっています。
実際に全通り数えると、こうなります。5枚の組み合わせは全部で 2,598,960 通りです。
| 役 | 52枚での通り数 | 出現率 |
|---|---|---|
| ロイヤルストレートフラッシュ | 4 | 0.00015% |
| ストレートフラッシュ | 36 | 0.0014% |
| フォーカード | 624 | 0.024% |
| フルハウス | 3,744 | 0.144% |
| フラッシュ | 5,108 | 0.197% |
| ストレート | 10,200 | 0.392% |
| スリーカード | 54,912 | 2.11% |
| ツーペア | 123,552 | 4.75% |
| ワンペア | 1,098,240 | 42.26% |
| ハイカード | 1,302,540 | 50.12% |
上から下まで、通り数がきれいに増え続けています。強い役ほど出にくい。1か所の例外もありません。
では、ここにジョーカーを1枚足すとどうなるか。同じように全通り(2,869,685 通り)数えた結果がこちらです。
| 役 | 52枚 | 53枚(ジョーカー1枚) |
|---|---|---|
| ファイブカード | — | 13 |
| ロイヤルストレートフラッシュ | 4 | 24 |
| ストレートフラッシュ | 36 | 180 |
| フォーカード | 624 | 3,120 |
| フルハウス | 3,744 | 6,552 |
| フラッシュ | 5,108 | 7,804 |
| ストレート | 10,200 | 20,532 |
| スリーカード | 54,912 | 137,280 |
| ツーペア | 123,552 | 123,552 |
| ワンペア | 1,098,240 | 1,268,088 |
| ハイカード | 1,302,540 | 1,302,540 |
スリーカードとツーペアを見てください。逆転しています。
ジョーカーを1枚足しただけで、スリーカード(137,280通り)の方がツーペア(123,552通り)より出やすくなりました。ジョーカーを持っていればペア1組がそのままスリーカードになるので当然です。ところがルール上は、依然としてスリーカードの方が強いままです。
「出にくい役ほど強い」という、役の順番を決めていた唯一の根拠が壊れます。出やすい方が強いという状態が生まれてしまう。
ジョーカーを2枚にすると、崩れ方はさらに深刻になります。
- スリーカード(232,968通り)> ツーペア(123,552通り) — 逆転
- ワンペア(1,437,936通り)> ハイカード(1,302,540通り) — 逆転
- フォーカード 9,360通り = フルハウス 9,360通り — 完全に同数
最後の行が象徴的です。フォーカードとフルハウスの出現数が1通りの狂いもなく並んでしまう。どちらが強いのかを確率で決める方法が、もう存在しません。
ここで挙げた数字は「5枚を配りきる」ドローポーカー形式のものです。テキサスホールデムは7枚から最良の5枚を選ぶので実際の確率は変わりますが、役の順番そのものが52枚を前提に決まっている点は同じです。ホールデムでの実際の確率はポーカー 役の確率にまとめています。
理由2:「今ありえる最強の手」が読めなくなる
テキサスホールデムは、場に開かれた共通カードを全員で見ながら進めます。だからこそ「このボードで作れる一番強い手は何か」を全員が計算できます。これをナッツと呼びます。
たとえばフロップ(最初に開かれる共通カード3枚)が A♠ K♠ 7♥ なら、この時点の最強手は A♥ A♦ のようなAのスリーカードです。相手のベットが強ければ「Aのスリーカードを持っているかもしれない」と具体的に想像できます。この計算ができることが、ポーカーの駆け引きの土台です。
ジョーカーが混ざると、この土台が消えます。ジョーカーは持ち主の手を必ず一段押し上げるので、「相手がジョーカーを持っていたら」という枝が、どのボードでも最後まで消えないからです。さきほどのフロップでも、ジョーカーと A♥ を持っている人がいればAのスリーカードです。ボードに同じ数字が2枚並べばフォーカードが、3枚並べばファイブカードが射程に入ります。「相手の最強手は何か」という問いに、答えが出せなくなるのです。
ナッツの考え方は、こちらで詳しく解説しています。
理由3:降りる理由がなくなり、駆け引きが薄まる
ポーカーは、必ずしも強い手で勝つゲームではありません。ベットして相手を降ろせば、弱い手でも勝てます。この「降ろす」が成立するのは、相手が自分の手は弱いかもしれないと感じるからです。
ジョーカーを入れると、全員の手が一斉に強くなります。
| デッキ | ハイカード(役なし)の割合 | ワンペア以上 |
|---|---|---|
| 52枚 | 50.12% | 49.88% |
| 53枚(ジョーカー1枚) | 45.39% | 54.61% |
| 54枚(ジョーカー2枚) | 41.19% | 58.81% |
スリーカード以上に限ると、もっと極端です。
- 52枚 … 2.87%(約35回に1回)
- 53枚 … 6.12%(約16回に1回)
- 54枚 … 9.44%(約11回に1回)
ジョーカー2枚で、10回に1回はスリーカード以上が出るようになります。こうなると「相手はたぶん強い手を持っている」が常に成り立ってしまい、ベットで相手を降ろすという行為そのものが機能しなくなっていきます。
ジョーカーを使うポーカー「ワイルドポーカー」とは
ここまでの3つの理由は、あくまで「競技として成立させるなら」という話です。仲間内で盛り上がるだけなら、ジョーカーを入れて遊ぶポーカーもちゃんと存在します。
ジョーカーをワイルドカード(何にでもなるカード)として使うルールで、日本では「ワイルドポーカー」「ジョーカー入りポーカー」などと呼ばれます。手札を交換して役を作るファイブカードドローなど、ドローポーカー系で使われることがほとんどです。
基本ルール
- ジョーカーを1枚、または2枚デッキに入れる
- ジョーカーを持っている人は、それを好きな数字・好きなマークのカードとして扱える
- 何にするかは、勝負を見せ合う瞬間に決めればよい
限定版のルール(ブック/bug)
ジョーカーを完全なワイルドにせず、用途を絞るルールもあります。この場合、ジョーカーはエースとして、またはストレート・フラッシュ・ストレートフラッシュを完成させるためだけに使えます。ペアやスリーカードを作るのには使えません。完全ワイルドより手が強くなりすぎないので、ゲームバランスが保たれます。
ジョーカーの扱いは、遊ぶグループごとに違います。「ジョーカーは何枚入れるか」「完全ワイルドか、限定版か」「ファイブカードを認めるか」の3点は、始める前に必ず全員で確認してください。勝負がついた後にもめる原因の定番です。
ジョーカーを入れたときの役一覧
ジョーカーを入れると、通常の10種類の上にファイブカードが加わって11種類になります。出現率は53枚(ジョーカー1枚)のときの実測値です。
| 順位 | 役 | 成立条件 | 出現率 |
|---|---|---|---|
| 1 | ファイブカード | 同じ数字5枚(ジョーカーを含む) | 0.00045% |
| 2 | ロイヤルストレートフラッシュ | 同じマークの A・K・Q・J・10 | 0.00084% |
| 3 | ストレートフラッシュ | 同じマークで数字が5枚連続 | 0.0063% |
| 4 | フォーカード | 同じ数字4枚 | 0.109% |
| 5 | フルハウス | スリーカード+ワンペア | 0.228% |
| 6 | フラッシュ | 同じマーク5枚 | 0.272% |
| 7 | ストレート | 数字が5枚連続 | 0.715% |
| 8 | スリーカード | 同じ数字3枚 | 4.78% |
| 9 | ツーペア | ペアが2組 | 4.31% |
| 10 | ワンペア | ペアが1組 | 44.19% |
| 11 | ハイカード | 何も揃わない | 45.39% |
ファイブカードとは
同じ数字が5枚揃った役です。52枚のトランプには同じ数字が4枚しかないので、通常のポーカーでは絶対に作れません。ジョーカーがあって初めて存在する役です。
- ジョーカー1枚ルール … 同じ数字4枚 + ジョーカー
- ジョーカー2枚ルール … 同じ数字3枚 + ジョーカー2枚 でも成立
たとえば 7♠ 7♥ 7♦ 7♣ + ジョーカー で、7のファイブカードです。
なぜロイヤルストレートフラッシュより強いのか。 理由はやはり出現数です。53枚デッキでファイブカードは13通りしかなく、ロイヤルストレートフラッシュの24通りより希少だからです。ここだけは「出にくい役ほど強い」という原則が、きちんと守られています。
ファイブカードは、ワイルドカードを使うローカルルール限定の役です。公式のポーカーには存在しません。「ポーカーの役は10種類」と説明されるのは、そのためです。
ジョーカーを入れてもロイヤルストレートフラッシュは作れる
「ジョーカーがあるとロイヤルは無効になるのでは」と思われがちですが、そんなことはありません。むしろ出やすくなります。
ジョーカーをスペードのAとして使えば、それは正真正銘のロイヤルストレートフラッシュです。52枚では 649,740回に1回でしたが、ジョーカー1枚入りでは 119,570回に1回。5倍以上出やすくなる計算です。
ジョーカーの当て方のコツ
ジョーカーを持ったとき、何のカードとして使うかは自分で選べます。ここで損をする人が意外と多いので、判断手順を決めておきましょう。
原則はひとつだけです。役の一覧を上から順に当てはめて、最初に成立したところで止める。
例1:7♠ 7♥ 7♦ 8♣ + ジョーカー
- ジョーカーを 8 にすると → 7・7・7・8・8 でフルハウス
- ジョーカーを 7♣ にすると → 7が4枚でフォーカード
フォーカードの方が上位なので、7として使うのが正解です。手元に8があると、つい「フルハウスが作れる」と考えてしまいがちなので注意してください。
例2:A♠ K♠ Q♠ J♠ + ジョーカー
ジョーカーを 10♠ にすれば、ロイヤルストレートフラッシュが完成します。上から順に当てはめていけば、迷いようがありません。
例3:9♥ 9♦ 5♠ 5♣ + ジョーカー
同じ数字が3枚ないので、フォーカードは作れません。ジョーカーを9として使い、9・9・9・5・5 のフルハウスにします。このとき、5ではなく大きい方の9をスリーカードにするのがポイントです。フルハウス同士の勝負では、スリーカード側の数字で強さが決まるからです。
迷ったら「ファイブカード → ストレートフラッシュ → フォーカード → フルハウス → …」と、上から順に声に出して試してください。最初に成立したものが、必ず正解です。
家でトランプで遊ぶとき、ジョーカーは抜くべき?
「テキサスホールデムをやる」なら、答えは明確です。必ず抜いてください。 52枚でなければ、そもそも別のゲームになります。
そうではなく「トランプで何かポーカーっぽいことをして遊びたい」という場合は、目的で決めるのがおすすめです。
| 目的 | ジョーカー | 理由 |
|---|---|---|
| 役を覚えたい・練習したい | 0枚 | 実際のポーカーと同じ条件。ここで覚えた役の順番がそのまま通用する |
| 大人数でワイワイ盛り上がりたい | 1枚 | 大きい役が出る頻度が2倍前後に増え、見せ合いが盛り上がる |
| とにかく派手な役を見たい | 2枚 | スリーカード以上が約11回に1回。強い手が当たり前になり、駆け引きは薄まる |
とくにこれからポーカーを覚えたい人がいる場では、ジョーカーを抜くことを強くおすすめします。ジョーカー入りで身についた「スリーカードよりツーペアの方が珍しい」といった感覚は、本物のポーカーの卓では完全に逆に働いてしまうからです。
使うトランプそのものの選び方は、こちらにまとめています。
他のトランプゲームのジョーカーとの違い
ポーカーでジョーカーが混乱を招きやすいのは、他のゲームでの経験が邪魔をするからでもあります。同じ1枚のカードなのに、ゲームによって意味が正反対になります。
| ゲーム | ジョーカーの役割 | 立ち位置 |
|---|---|---|
| テキサスホールデム | 使わない | — |
| ワイルドポーカー | 好きなカードとして扱える | 実質最強 |
| 大富豪・大貧民 | 1枚で最強。他の数字の代わりにも使える | 最強(ローカルルール差が大きい) |
| ババ抜き | 最後まで持っていた人が負け | 最弱 |
| セブンブリッジ | どの数字・マークにもなるワイルド | 強いが、上がれないと失点が大きい |
大富豪では最強、ババ抜きでは最弱。ジョーカーの強さは、カード自体ではなくルールが決めているわけです。
そしてポーカーは、この一覧の中でただひとつ「そもそも使わない」を選んだゲームです。ここまで見てきたとおり、役の順番・ナッツの計算・降ろす駆け引きという3本の柱が、すべて52枚を前提に組み上がっているからです。
よくある質問
Q1: トランプにジョーカーは何枚入っていますか?
答えを見る
多くの製品は52枚+ジョーカー2枚の54枚構成です。ポーカー用のトランプでは、これに加えてカットカード(山札の底を隠す無地のカード)や案内カードが同梱されていることもあります。
いずれにせよポーカーでは使わないので、開封したらジョーカーは抜いて別に保管しておくのがおすすめです。
Q2: ジョーカーを入れるとロイヤルストレートフラッシュは作れなくなりますか?
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作れます。それどころか出やすくなります。
ジョーカーを足りないカードの代わりに使えば、ロイヤルストレートフラッシュとして成立するからです。52枚では 649,740回に1回ですが、ジョーカーを1枚入れると 119,570回に1回まで上がります。
Q3: ファイブカードは公式の役ですか?
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公式の役ではありません。ワイルドカードを使うローカルルール限定の役です。
同じ数字は52枚のデッキに4枚しかないため、通常のポーカーでは成立しようがありません。WSOP などの公式競技にファイブカードは存在せず、最強の役はロイヤルストレートフラッシュです。
Q4: オンラインポーカーにジョーカーはありますか?
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テキサスホールデムやオマハなど、主要なゲームはすべて52枚でジョーカーはありません。
コンピュータが配る場合も、使われているのは52枚のデッキです。ジョーカーが登場するのは、ポーカーの名前を借りた別ジャンルのカードゲームだと考えてよいでしょう。
まとめ
- テキサスホールデムをはじめ、競技として遊ばれるポーカーはすべて52枚。ジョーカーは使わない
- 理由は「強すぎるから」ではなく、ゲームの土台が3か所同時に壊れるから
- 役の強さの順番が崩れる(ジョーカー1枚でスリーカードがツーペアより出やすくなる)
- ナッツ=その場の最強手が計算できなくなる
- 全員の手が強くなり、ベットで相手を降ろせなくなる
- ジョーカーを入れて遊ぶ「ワイルドポーカー」は存在する。その場合、ファイブカードという最強の役が加わる
- 役を覚えたい人がいる場では、ジョーカーは抜いた方がよい
次のステップ
ジョーカーを抜いた52枚で遊ぶ理由がわかったら、次はその52枚で作る役の順番を正確に覚えましょう。強さの比べ方と、キッカー(役に使わなかった残りのカード)での決着まで押さえれば、卓で迷うことはなくなります。
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